不遇な時期を過ごしている人にかける言葉に「腐るな」という言葉があるよね。
不遇に負けないで、堕落したり、性格を悪くするなっていう意味だよね。
「腐るな」という言葉は、まったくもって正論です。
「腐ることと腐らないこと、どちらのほうが良いことですか?」と人に聞いたら10人中10人が「腐らないほうがいいに決まってるよ」と答えます。
でもね、
なにをやってもだめで、結果がでなくて、腐ってしまうことってあるんだよね。
不遇から抜け出そうと努力して、準備をして、春を待ちわびて、でも自分の力ではどうしようもなくて、冬が長くて辛いときってあるんだよね。
本当に優しい人って、辛い思いをたくさん経験したことがある人だと思うんだよね。
貧乏の辛さが骨の髄まで染み込んでいる人は、自分が小金持ちになって他の貧乏人にお金を恵む機会が来たときに、自然と頭を下げながらさりげなくお金を渡します。お金を恵んでもらう悔しさや情けなさを痛いほど知っているから。
間違っても札束で相手のほほをたたくようなことはしません。
前も書いたけれど、楽天という言葉は中国の古い言葉から引用されています。
楽天知命 故不憂。
天を楽しむことで使命を知る。故に憂えない。 という意味です。
実はこの言葉には続きがあります。
安土敦仁 故能愛。
土に安んずることで仁の心が敦くなる。故に愛することができる。
葉っぱは枯れ葉になったら、木から落ちて腐って、土に還ります。
そしてその土から新しい命が生み出されます。
腐って土に成ることで、たくさんの命を支えることができるんだよね。
ワインはブドウを腐らせて、熟成させることでうまれます。
腐った経験は、絶対にその後の生き様にいい味を加えてくれます。
前を向いたり、上を向くことが人生のすべてではありません。
後ろ向きになったり、下を向いて過ごした日々が財産になる日がきっと来ます。
読んでくれてありがとさん!!